■稲田よりメッセージ
◆東京通信工業株式会社設立趣意書がある。昭和21年、終戦の
翌年に書かれた。
腹の底から湧き上がる力がある内容だ。
インターネットから抜粋した。かな使いその他、原文のままである。カタカナから受ける迫力もある。
・・・・最初ハ、日本測定器カラ譲渡シテ貰ッタ僅カナ試験器ト材料部品ト小遣ヒ程度ノ僅カナ資金ヲ以テ出来ルダケ小サナ形態デ何トカ切抜ケテ行ク計画ヲ建テタ。
各人ハ、其ノ規模ガ如何ニ小サクトモ其ノ人的結合ノ緊密サト確固タル技術ヲ持ッテ行バ如何ナル荒波ヲモ押シ切レル自信ヲ持ッテ大キナ希望ヲ以テ出発シタ。其ノ様ナ小サナ規模デ出発シタ所以ハ、コノ国家的大転換期ニ於ケル社会情勢ノ見透シガ出来ズ、又我々ノ仕事ガ社会ニ理解サレ利用価値ヲ見出サレル迄ニハ、相当ノ期間ヲ要スルト考ヘタカラデアル。・・・・・
会社設立ノ目的
一、真面目ナル技術者ノ技能ヲ、最高度ニ発揮セシムベキ自由闊達ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設
一、日本再建、文化向上ニ対スル技術面、生産面ヨリノ活発ナル活動
一、戦時中、各方面ニ非常ニ進歩シタル技術ノ国民生活内ヘノ即時応用
一、諸大学、研究所等ノ研究成果内最モ国民生活ニ応用価値ヲ有スル優秀ナルモノノ迅速ナル製品、商品化
一、 無線通信機類ノ日常生活ヘノ浸透化並ビニ家庭電化ノ促進
一、 戦災通信網ノ復旧作業ニ対スル積極的参加並ビニ必要ナル技術ノ提供
一、 新時代ニフサワシキ優秀ラジオセットノ制作普及ナラビニラジオサービスノ徹底化
一、 国民科学知識ノ実際的啓蒙活動
経営方針
一、 不当ナル儲ケ主義ヲ廃シ、飽迄内容ノ充実、実質的ナ活動ニ重点ヲ置キ、徒ラニ規模ノ大ヲ追ハズ
一、 経営規模トシテハ寧ロ小ナルヲ望ミ大経営企業ノ大経営ナルガ為ニ、進ミ得ザル分野ニ技術ノ進路ト経営活動ヲ期スル
一、 極力製品ノ選択ニ努メ技術上ノ困難ハ寧ロ之ヲ歓迎、量ノ多少ニ関セズ最モ社会的ニ利用度ノ高イ高級技術製品ヲ対象トス、又単ニ電気、機械等ノ形式的分類ハサケ、其ノ両者ヲ統合セルガ如キ他社ノ追随ヲ絶対許サザル境地ニ独自ナル製品化ヲ行フ
一、 技術界業界ニ多クノ知己関係ト絶大ナル信用ヲ有スル我ガ社ノ特長ヲ最高度ニ活用以テ大資本ニ充分匹敵スルニ足ル生産活動販路ノ開拓資材ノ獲得等ヲ相互扶助的ニ行フ
一、 従来ノ下請工場ヲ独立自主的経営ノ方向ヘ指導育成シ、相互扶助ノ陣営ノ拡大強化ヲ計ル
一、 従業員ハ厳選サレタル可也小員数ヲ以ッテ構成シ、形式的職階制ヲサケ、一切ノ秩序ヲ実力本位、人格主義ノ上ニ置キ個人ノ技能ヲ最大限ニ発揮セシム
一、 会社ノ余剰利益ハ適切ナル方法ヲモッテ全従業員ニ配分、又、生活安定ノ道モ実質的面ヨリ充分考慮援助シ、会社ノ仕事即チ自己ノ仕事ノ観念ヲ徹底セシム
この趣意書を書いたのは井深大さん、SONYの創業者38歳の時だ。書いた時期は終戦の翌年、全てが崩壊喪失し混迷の中の事である。その気力、純粋な思いに圧倒される。
そして、正しく弱者の戦略そのものが組み立てられているのだ。
年商8兆8千億、従業員18万人という巨大企業の62年前の姿だ。
いなだ H20.8.19
◆「あの人は今」 ・・・
2回目の「あの人は今」を7月28日に開きました。
今回の報告者は、グループホームの経営者、中原亜希子さん38歳。
この会の参加者が中原さんに感想を伝えました。その内容を承諾の上で掲載いたします。
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稲田さんへ
中原さんの話、すごく良かったです。
裸になって話をするって、こんなに伝わってくるもの
なのかと実感しました。
また、父を通して、中原さんの仕事の意味、自分の
反省など感じる事がたくさんありました。
中原さんへ送る感想を添付します。
私の今日の感想です。
「あの人は今」は最高ですね。
この場を与えていただき、ありがとうございました。
有限会社
筑紫印刷 高 橋 英 治
http://www.chikushiprint.com
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中原様
今日は、ありがとうございました。包み隠さない、素のままの話を聞かせてもらったので、色々と感じた所がたくさんありました。
私も、父が亡くなって、もうすぐ1ヶ月が経とうとしています。今日の話を聞いて、中原さんにお世話になったことを思い出しました。中原さんに紹介してもらって、武藤技建さんにバリアフリーのリフォームをしてもらったんでしたね。その後も、武藤技建さんには車椅子をレンタルさせてもらっていました。その節はありがとうございました。
父も要支援から始まり、要介護に進んでいったので、自分は、中原さんの今のお仕事のお客側の立場にピッタリだったよなと思いました。いや、そういえば、中原さんの施設にお世話になる手段もあるよな・・・でも北九州だし・・・、と考えたことがあったことを思い出しました。
父は、ここ2年くらいは、1日おきにデイケアサービスに通っていました。亡くなって反省しても遅いのですが、家族のひとりとして、どれだけ愛情を持って接していただろう。普通の状態からだんだん手が掛かるようになり、話が通じなくなり、それが進んでいくにつれて、自分の接し方も愛情が薄くなってしまっていました。自分のことが優先してしまって・・・.そんな自分と介護疲れしていた母を、中原さんのお客さん、発注者である家族の方とダブって聞いていました。
そんな周りの家族の愛情と、他人だけど、ホントの家族として一緒に生活している中原さんの愛情の深さをどうしても比較してしまいます。人生の最期に近い方にとって、何より幸せなことは、「家族愛」で接してくれる人が周りにいることだと痛感しました。ほんとに反省です。
今日もらったコピーの中に写っている中原さんの顔を見ていると、「母親、母性愛」を感じました。入居者にとって、中原さんを子どもと感じるのか、母親を感じるのかはわかりません。でも、いくらご高齢の方でも「母性愛」に包まれるほど安心できることは他にはないと感じました。中原さんにはそれがある。いや、中原さんしかできない。福祉の事業をやってるとか、そんな次元の話ではなく、自然に、尊敬して、普通でいられる、本当に天職ではないかと思います。
中原さんだからこそ実現できている環境だと思います。
自分を含め、死が近づいている「家族」がいるのに、「家族だからこその愛情」が注げていない現実は、世間一般的に良いことだとは思いません。でも現実にそういうケースが多々あるのであれば、中原さんという存在はとても重要だと思います。
もし、今、まだ力の余裕があるのであれば、もっと多くの寂しさをつのらせているご高齢の方へ中原さんの「家族愛」を差し上げてほしいと思います。寂しい思いを感じていらっしゃる方って、日本中で18名くらいではない気がします。無責任な言い方ですみません。
今になって悔やんでもしょうがありませんが、ここ1〜2年の父は、3歳くらいの子どもと同じくらいに愛情を求めていた気がしてなりません。本当は、ほんとの家族が愛情を持ってお世話するのが筋なんですが…。
また、「使命」という話を聞いて、感じたこともありました。
私の周りには、家内をはじめ、何故か両親が別れていたり、小さな頃に片親と死別していたり、また、今現在、両親とぎくしゃくした関係だったりと、育った家庭環境に何か問題があった人が多いことを思い出しました。自分に何の役割があるのかは自分でもまだよくわかりませんが、何か似てるな・・・と感じました。
社員の話でも、勝手に感じたことがありました。
仮に、家族愛が薄い環境で育った人、極端に言えば、施設で育った人などが、中原さんのグループホームで働けたなら・・・、と。
過去、家族愛が欲しかったけどもらえなかった人と、今、家族愛が欲しい人とが共に生活する場があれば、共に幸せな気持ちになれるのでは・・・?と。社員は入居者を「父、母、おじいちゃん、おばあちゃん」を感じられ、入居者は「子ども、孫」を感じられるんじゃないかと・・・。
働く社員も活き、お客様も活かされる、良い環境だなと、これもまた、無責任に、勝手な想像をしていました。
中原さんの男勝りのパワーを、人一倍の「家族愛」に捧げていって欲しいなというのが、今日の率直な感想でした。
思いつくまま、勝手なことばかりですみません。文も無茶苦茶で・・・。逆に悩ませてしまうことばかりかも知れませんが、久しぶりに「感じたことを伝えたい!」と思ったものですから・・・。
今日は、ほんとうにありがとうございました。自分の反省も含め、色んな気付きをいただきました。
素晴らしいお仕事なので、益々発展していって欲しいと願っています。
また、ゆっくりお話しできれば嬉しいです。
筑紫印刷 高橋
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追記:事例研究会の様子をプロのビデオカメラマンに撮影をお願いしています。販売もしています。参考下さい。
→ http://www.business-v.com/casestudy.html
08.7.30 いなだ
◆名コンサルタント
ビデオカメラマン曽川夫妻が、東京で開業準備中のドクターと一緒に来社された。
永く地域内で医療を続けたいと開業を決意されたが、経営については大学や病院でも勉強の機会は無くて、不安が大きいと正直に打ち明けられた。
話を聞いてみると、意外だった。
別の場所での開業を希望したが、引退した親の歯科医院を最低限の改装で済ませ、医療器械も極力必要なものだけにする。地域は500m圏内、人口1万人と定めた。圏内に5軒の医院があるので、得意分野の内科と小児科に限定する。さらに他が手を出さない慢性疾患を中心に漢方を加えるといった内容だ。
まことに当を得たものだった。
このような方針を決めたのは何故ですかと聞くと、曽川夫妻のアドバイスだという。歯科医師の80歳の母親の側で開業すべきということも、その一つだ。
このアドバイスといい、信頼感といい、お見事ではないか。
地元で歯科医院として40年の経験を活かすには、歯科医院の2階で暮らしている母親と、患者さんの触れ合う場を作れば良い。引退したとはいえ子供や高齢者の事は良く分かるから、地域で永い間、患者を診ていた経験を活かす事ができる。来院する人も、80歳の先生から声をかけられたら、元気が出るだろう。ドクターにとっても、母親の姿を毎日、見るから安心できる事などを補足した。
今あるものを活かす事、全て軽装備にすること、親を大事にすることなど、全く気づかなかったことを知って、九州に来て本当に良かったと話をされた。
医院開業の相談や指導は、医療機器メーカーや薬品会社、医療業界専門の上場企業がすでにビジネスにしていて、このドクターもアドバイスは受けていたが、親身のものではなかったのだろう。
曽川夫妻には、以前から勉強会やセミナーを記録してもらっているが、昨年1年間は3社の長期研修を、ほぼ毎週撮影してもらった。その編集作業を含めて、かなりの時間を経営計画、リーダー研修などにお付き合い頂いたが、前述のようなことが起きた。
門前の小僧という言葉があるが、積み重ねの威力は大きいものだ。
ドクターと曽川夫妻の接点は、曽川夫妻のブログだそうだ。メール交信で2年、会うのは初めてという。2年もメールだけでつながっているのだ。しかも医者の相談に乗っていたのだ。
これも凄いではないか。
10.11 いなだ
◆選択と集中
弱者の戦略を他の言葉で表すと、選択と集中でしょうか。
何を選択しどのように集中するか、その組み立て方によって経営条件が不利な会社でも、将来を切り拓いていくことができます。経営計画はその作業だといえます。
経営の3年はかなりの時間量です。どんな経緯であれ勤めていた会社を飛び出して、経営を始めた人は、独立心があるわけですから、この
部分は強みでもあります。
また後継者にとっては、すでにある程度の地盤も看板もあり、蓄積された資金やノウハウを活用すれば、3年の時間はとても大きなものです。
時間は全ての人に平等のはずですが、3年の時間は使い方によって長さ、大きさが違う結果になるのは身の回りに多くの例を見る事ができます。
ラグビートップリーグ連続優勝の東芝は、普通の選手を常勝軍団にしたことで知られています。薫田監督が就任した5年前は下位で低迷していたチームですが、4年目、5年目と連続優勝。主将は学生時代に無名の選手、監督自身も、学生時代は無名チーム所属。部員も有名選手は少ないのに日本一。
今年の甲子園優勝高校は無名の県立佐賀北高です。練習時間も
設備も選手も監督も、有名校の足元にも及びません。それでも3年間で日本一。
経営も、3年間を人の育成に向けたら3年後には一人前の立派な人材として準備ができるでしょう。顧客活動に向けたら、3年後には顧客が増えているでしょう。自分自身に向けたら、必ず何かを身につけているでしょう。
昔から石の上にも3年とか、3年千日というように一つの区切りになりますが、3年は大きな目安だと思います。この間にはお客のこと、商品の事、資金の事、人の事など多くの課題から選択し、一つずつ取り組んで、毎日を乗り切って行きます。
今独立したばかりの人と、すでにかなりの期間を経営の実務で進めてきた場合では、全く事情が異なりますから、置かれている状況をきちんと把握する事が重要です。基礎ができたら、次のステージに進めます。人の能力も、使える資金も無視した、ただのイケイケが危険な事は誰でもわかります。
3年で出来る事もあれば、10年でも足りない事があります。だからこそ選択をし、そしてどのように集中するかが意味を持ちます。
9.10 いなだ
◆ネットワークビジネス
グループホームの女性経営者Nさんが来社、ネットワークビジネスの優績者として表彰された帰りだという。本業は創業期の苦境を脱して軌道に乗っている。ネットワークビジネスを始めた事を聞いて、少々驚いたがNさんならやれるだろうと納得もした。
Nさん自身がこの商品の愛用者だ。経営者として、その仕組みづくりと、トップリーダーに関心があって始めたそうだが、仕組みは見事に出来ており、どのネットワークのトップリーダーもコミュニケーション能力が極めて高いことも分かったそうだ。
ネットワークビジネスが軌道に乗った理由だが、Nさんがきちんと話をするから、聞く人も真面目に判断してくれるそうだ。それは自分の普段の姿を知っているからでしょうという。初めに信頼ありきだ。
この種のビジネスで高収入の人がいるのも事実だが、殆どの人は商品の在庫を抱え処分に困ってしまう。それは企業経営で高収益を得ているところは100社のうち上位3社で、損益ぎりぎりの会社を含めて黒字は30社、他の70社が赤字である事と似ている。
ビジネスはお客を作るのが原点であり、商品を購入してもらうことで成り立っているが、売れずに商品を抱え込んでしまう人が圧倒的に多い。それなのに商品知識も無ければ、本気で商売の研究をしているとも思えない。
売れない人の特徴は商品を売らずに、儲け話で説得しようとしていることだ。しかし、商品を売れない人から、この仕事は儲かると薦められても、気持ちは動かないだろう。
お客が増えれば商品の販売量も増える。1個売れ、その1個が消費されると、次の注文があるから確実に収入が増える。愛用者を増やす事が先だ。
儲け話に乗っても、商品を使うお客が出来るわけではない。代理店は、お客が無くても商品を一定量仕入れる。10個仕入れると、10個が在庫になり、支出が発生する。売れない代理店が増えると、代理店に商品が滞留するだけで、真の需要とは無関係な事が起きる。消費者が増えずに、商品の出荷だけが増えれば必ず破綻する。それはメーカー自身の大きなリスクになる。
戦略面から見れば、基本的な間違いが分かる。
弱者の販売戦略は直販が原則だ。1人ひとりの顧客から繰り返し商品が購入されて、将来が切り開かれていく。その結果、代理店が必要になる時がくる。
一方、初めから代理店を作る場合は、代理店支援が必要だが、これは自分で売るより難しい。熱心に売るかどうかは、代理店の意思に左右される。そして商品の良さも理解できない代理店は直ぐに行き詰る。代理店依存は間接戦になり強者の戦略だ。基本的に戦略が違うのだ。
ネットワークビジネスは無店舗で、広告費も不要だから粗利は大きい。殆どが販売だけで間接部門不要の軽装備だ。さらに消耗品だから繰り返し注文がある。納品と回収が一体になっているから資金繰りも楽だ。弱者の戦略そのものだ。きちんと理解して進めていけば、理屈に合った手法である。
ビジネスは正々堂々が原則だ。その正々堂々の力が相手を説得する。自分が良いと信じたものを、人にも薦めたいとの思いが根幹になければならない。
人脈は信頼の上に成り立っている。信頼を損なえば人脈は崩れ、ネットワークが破綻する。その信頼関係の上に流れる商品は、正しく使われて、人の役に立つ事が確認されるものでなければならない。取り組み方を間違えると人間関係を破壊してしまう。
ネットワークビジネスは、戦略の混乱が、成功と失敗を分ける典型的なものだ。
8.31 いなだ
◆エステ会社の戦略
エステ業界の経営者が近況報告に来社された。
会ったのが2年前、会社設立して10期、従業員100名、拡大一点張りの若い社長で、過去10期のうち黒字が2期で8期は赤字、債務超過で極めて危険な状態だった。
1年目は社長から始めて、4人の役員全員に勉強会に参加してもらい意思統一を図った。弱者の戦略の基本から商品戦略、地域戦略、
経営計画まで8ヶ月。試行錯誤しながら、弱者の戦略に基づいて一つずつ整理して行った。商品も大幅に整理し、店舗も整理した。そして単月黒字が4ヶ月続いた。
経営陣は若くて気力があるからやることも派手だ。役員は1年間給与ゼロには驚いた。この間、財務を専門家の指導で勉強し、月次決算書も5日間に短縮、商品開発や幹部社員の教育も見直して黒字決算になった。新年度は役員の給与を元に戻したが、月次決算は黒字で4ヶ月経過、真の債務超過解消を目指す。
商品が奏功して顧客が単月2倍に増え、スタッフの意気込みが違ってきた。営業対策は、お客に売り込むことを止めて、商品の理解を深める事に集中したため、各店舗での顧客対応が様変わりし、お客を深く理解するようになった。
エステ業界は国の監視が強くなって、大きな会社が脱落するそうだが、ここは体質改善ができたのでクリアーした。この2年間の努力の意味は大きい。
夜型の社長が朝型に変わった。日焼けして健康になり、考え方も健康になった。
本日の話し合いで、急がない事をテーマに加えた。丁寧に確実に進む事にした。
8.23 いなだ
◆繁盛店を産み出す会社
福岡市にリードクリエーションという店舗デザイン会社がある。
デザインの質が高く、施工能力や顧客のフォローが良いことで大勢の施主に支持されている。市内の美容室で上位の繁盛店はこの会社の仕事だ。飲食店もかなり手がけていて、やはり繁盛店が多い。
今朝、同社の福泉社長が契約前の施主と来社された。目的はこの
施主に出店を断念させる事だという。
普通は早く契約して仕事を進めることに力をいれるものだが、福泉さんは全く反対だ。相手の計画を聞き、資金計画からテナント交渉、開店
までにやらなければならない事を、可能な限り施主と一緒に数ヶ月間関わって行く。必要な勉強会も開いている。見積もりや設計はその後だ。
今回の依頼者は1年前から関っている広告会社の社長で、昔から
飲食店を経営したかったとのこと。既に場所も決め、不動産屋と仮契約をして1か月分を払い込んでいる。
ただ本業は下降ぎみで、飲食店は知り合いの料理人を店長にして
全てを任せ、自分は経営者としてやっていくということで、福泉さんが
反対した。失敗間違いなしだから、本業にも大きな負担になるので、
その説得をして欲しいとの事だった。
こんなケースが結構ある。
その都度、福泉さんは準備不足だからと、開店を思い留まらせている。物件が受注できれば1千万、2千万になるのだ。なんとか受注に結び付けようとするものだが、自分の利益にならないのに、全くの時間の
ムダと承知で本気で心配するのだ。
資金の余裕を聞く事から始める。3ヶ月か6ヶ月か1年か、お客が来なくても店を維持できる期間を想定してもらう。リスクを考えれば何もできないが、しかし、予想できるリスクは避けなければならない。今回は
6ヶ月が限度で、6ヶ月で採算に乗せる事が条件だ。果たして店長に任せておいても大丈夫かとなると、やるべきことが具体的に見えてくる。
結論からいうと、この社長は経営の勉強をしていないことに自分で
気がついた。もし本業の広告会社が繁盛店なら、また違った展開になる。
飲食店を人に任せてやるには、責任の範囲を明確にしなければならない。繁盛店になっても、失敗しても、責任の所在をはっきりさせないと
6ヶ月経たずに内部衝突が起きる。
そして袂を分かつ事になる。店長や従業員はいい。辞めて他に就職すれば新たなスタートができる。しかし社長は投資資金一切の責任をとることになる。リスクは社長一人にかかってくる。
テナントの立地は申し分ないので、仮契約で家賃を払いながら社長
自身の関り方の基本姿勢と、計画自体を再検討することにした。
しかし、その姿勢が繁盛店を産み出す。そして依頼者が順番を待つ
のだ。
07.8.7 いなだ
◆すぐそばにいる、凄い経営者。
博多男塾という会がある。会員14名。会員資格は福岡の男性経営者に限る。
塾長は仕出し屋の社長67歳。博多男塾の名前はこの塾長の生き方に敬意を表して命名した。世話好きで曲がった事が大嫌い。遊びもおしゃれも人脈も一流。仕事柄、年中無休、盆正月も無いが、季節や地元の行事を大切にする。
会員はこの塾長の一存で決まる。発会して3年、会員を増やす意思はない。毎月1回、会員か外部の経営者が卓話をし、飲みながら話し込む。私の日程はこの会が最優先になっている。
7月の報告者は会員で炊飯センターの福島さん49歳。岳父の関連会社の炊飯センター設立を指名されたのが30代。平成7年、資金調達から工場建設、機材調達、従業員採用全て一から立ち上げた。全くの業界の素人。
5名のパートで操業開始。一度、釜に火を入れると365日24時間稼動の過酷な仕事だ。夕方4時までに注文を受け、明け方までに炊き上げ、指定の時間に配達する。7ヶ月間、奥さんと離れて工場に泊り込んで操業を続けた。
現在、従業員90名、年商26億、地域一番の炊飯センターになった。
大手量販店との取引が常識の業界で、小口客に徹して地域に800社の顧客を作った。ご飯のアウトソーシングといえば、部品の下請け会社と同じだが、相手の要望にあわせて、白飯を中心に、酢飯、シャリ玉、赤飯、地鶏釜飯などを、ホテル、旅館、レストラン、すし屋、病院などの顧客に提供している。
台風の時などは、学校、病院、観光地からの殺到する注文に対応していく。
平成13年、新工場は前日に大口客の寿屋倒産という衝撃の操業になったが、一人も解雇せずに乗り切った。連鎖倒産の危機の中で手紙を全員に書いた。「絶対倒産させない、一人も解雇しない。」決意書だ。従業員は誰も手紙を開封しなかった。解雇通知だと思い込んだからだ。
炊飯部門では九州で唯一のHACCP認定工場だ。以前は外注だった細菌検査も自社検査に変えて、検査結果が2日後には製造現場にフィードバックされる。大企業のHACCP認定工場で不祥事が続く現在、お金をかけずに自前で創り上げた本物だ。工場内部も、大手メーカーと共同開発した機器も全て公開している。公開すれば、外からも情報が入って来るという信念だ。情報保護法だ、企業秘密だと騒ぐのが不思議なくらいだ。一人ずつ創り上げた人脈も濃く広い。
福島さんはいつも考え続けている。
考えるのが経営者の仕事だと言う。
話の最後に,、3K,4Kの過酷な職場を、従業員が誇りをもって働ける会社にする事が自分の使命だと言い切った。
07.7.24 いなだ
◆家族経営
日本の企業規模は従業員9人以下が80%、4人以下では60%を占めますが、中小企業白書によると、小規模経営は建設業、運輸、製造業は20名以下、その他の小売業、サービス業などは5人以下の事で、わが国の企業の80%超が小規模経営と呼ばれます。ちなみに中規模経営は20人から300人の規模。かなり幅があります。
小規模経営では事業承継は70%が親族へ、大企業は85%以上が親族以外へバトンタッチします。
その結果、小規模経営の特徴として、主人が社長で奥さんが専務、または親子で社長、専務という組織が出来上がります。100人規模でも同じです。
家族経営は利害が一致するので頑張らざるを得ない。同じ方向にエネルギーを集中すれば、2乗効果が生まれ競争力が大きくなります。
私の知っている会社で良い方向に発展したのが福岡一の仕出し屋さん。大きな舵取りはご主人の社長、実務は専務の奥さん、息子さんは営業企画の責任者で、それぞれ役割を決めて、その中で全力投球し、お互いの存在の重要さを良く理解し、意思統一によって強い力を生み出しています。経営の戦略と戦術の理解の上に、組織作りの原則に沿っています。
この例と同じ状況を数多く見て来ました。夫婦のパワーが会社のエネルギーに転化するのですが、家族経営の殆どは経営の原則を夫婦で理解していく段階で業績が上がります。理論よりも同じ方向に気持ちを定めるだけで業績が上がるのです。
一方でこの逆の事も起きました。夫婦で社長、専務、息子が室長で120人の企業。それまでの複雑な組織をシンプルに整理し、役割分担と責任の所在も決め、新しく営業戦略を組み立てた結果、売り上げ2倍。上場も視野に入り、好調でしたが、その間の戦略上の理解が浅かったのでしょう、前面に奥さんが出ました。経営者団体の役員になった事も影響したかも知れません。営業会議は奥さんの独壇場になりました。
経営陣の会議では、戦略に問題があると息子が言えば、何でもいいから頑張れと応酬し、夫婦喧嘩に親子喧嘩。3人が衝突し、別々の方向にエネルギーを分散させれば、経営上の組織は機能しません。経営力は急激に落ちて、社員はばらばら、一気に倒産の危機。僅か2年、あっという間の事です。
10年も前の事ですが、赤字の難しい状況を切り抜けて行った会社があります。夫婦喧嘩の連続でしたが何とか乗り切って1年。ようやく黒字に転換したときに経営の主導権で激しくぶつかりました。社員はどうしてよいかわからず動けない。折角の黒字から翌年は赤字に転落。間もなく倒産しました。
地方の小さな町で地域戦略が功を奏した創業40年の衣料店。4店舗まで拡大した社長が遊びすぎて夫婦喧嘩が絶えず10年、赤字が続き銀行からの借金が常態化しました。それで数ヶ月の時間をかけて少しずつ話合う場を作り、経営の方向を定めました。ようやく経営が前を向いて動き始めました。油断は出来ませんが明かりが見えた感じです。10年あれば1億以上は手元に残す事ができたでしょう。もったいない事例です。
一度事業に失敗して餃子屋で復活した事例です。銀行は取引停止。夫婦喧嘩は毎日。店の統制は取れず、大きな借金はそのままで自転車操業の連続。そこで経営能力がある奥さんが社長になり対外交渉も上手く、売上げも急上昇。やがて主人が我慢できず、事実上の社長は自分だと再登場。社内に混乱が続きましたが、何度か話し合って、社長はご主人、奥さんは自宅で経理だけに専念し返済に全力。数千万の借金をほぼ完済しました。無借金なら、倒産はありません。
つくづく思います。家族経営はお互いの協力があって、力を合わせることが経営の前提だという事です。方向が正しければ、エネルギーの総量を最大にして、目的に向かって投入できるのです。戦略云々よりも分りやすく成果も早く出せます。
07.7.18 いなだ
◆レガシー
ランチェスターの足跡をたどって、バーミンガムからコベントリー、そしてロンドンを訪ねました。竹田社長夫妻、代理店の方、熱心な経営者の皆様、そして当社スタッフとの旅でした。
ランチェスターは、競争の法則の発表者としての事でしか認識されていませんが、実際の活動範囲は広く、そのお墓や晩年を過ごした住まい、経営していた自動車工場、そしてランチェスターの偉業を記念して創設された大学、その偉業を現在も研究している図書館、更にランチェスターが開発した自動車を展示している資料館など、ルーツをたどりました。
「レガシー」
ランチェスターの業績を描いた本のタイトルですが、コベントリー大学の関係者との食事会で、その意味を通訳の人から聞く事ができました。
「それは遺産の意味ですが、もっと深く、大いなる遺産、伝えていくべき事という意味ですよ」
と教えてくれました。名訳でした。
そして、この言葉が旅の間、どんどん浸み込んで来ました。
この言葉の意味を知ったことが私にとって、この旅の最も心に残るものになりました。
経営にとって、これほどの言葉はありません。
自分の会社は一体何を遺そうとしているのだろうか、伝えるべき事は何なのだろうかと問いかけられた旅でした。
12.19 いなだ
◆隣家のリフォーム
晩秋に向かう心地よい季節です。
家の両隣でリフォームが始まりました。
右隣が数日早くスタート。
こちらは外壁の塗装で、足場の組み立てと養生シートが張られました。
外壁の洗浄をして塗装。準備から工事まで雨の日があって、壁が乾くまでの工事休止の数日がありましたが、気がつくと足場も解体されて静かに終わっていました。
左隣の工事が始まりました。
すでに足場が組まれて好天続きにも関らず工事が始まりません。
休日の朝、かみさんと散歩から帰ってくると、塗装業者が家の庭に車を止めて工事の準備をしています。
実直そうな夫婦親子のようです。
まだ隣人は起きていないようで、親子4人で立ち話。
私たちを見ても挨拶はありません。
お隣のことでもあり、駐車や準備に使ってもらって結構なのですが挨拶は大切ですね。
着工前に元請は近隣に挨拶したのですが、下請けの職人さんは、挨拶も苦手のようです。
かなりの時間がたって外壁用のシートを張り始めました。
ところがシートの張り方で右隣の業者との差が出ました。
隙間だらけです。
シートが足りずに室内用の薄いビニールも使われています。
シートの張り方で仕事のレベルが分るねとかみさんも妙に納得。
やがて洗浄。
かみさんがあわてて洗濯物を取り込みました。
洗浄中に真っ黒な汚水が降ってきて洗濯物を汚しました。
この出来事から二つ、注目すべき事がありました。
一つは仕事のレベルが準備の段階で分ってしまう事です。
もちろん挨拶からです。
リフォーム工事の本当の難しさは、住人、近隣の眼前で仕事が進んでいくことです。
全てが評価の対象になります。
元請が如何に挨拶して回っても、現場で作業する人たちの言動こそが人の目にさらされるのです。
そしてもうひとつは、両隣の工事が全く違った業者によって受注されていることです。
町内には20戸ほどの住宅があり、この数年で建替えが4軒、大掛かりなリフォームが3軒ですが、同じ業者は1軒もありません。
しかも大手のハウスメーカーは1社もないことです。
いなだ 11月9日
◆地域の経営者団体例会に出席した。
報告者は30代で創業2年、未だ赤字。
従業員3名のISOコンサル会社で大阪支店がある。
年商5000万円目標。
売り上げ不振のため趣味のダンススタジオも始めたが赤字・・・。
100名を超す参加者の中からアドバイスを受けるという事であったが、満足に答えられる人はいなかった。
「竹田先生は、関門海峡を渡ると、中小企業は倒産するというが、ISOは大企業中心だから関東、関西になる。それで九州に絞るか迷っている。売り上げ構成比は、大阪21%、福岡53%、ダンススタジオ19%、保険その他7%。 また元請けか下請けかで迷っている。大手と競合しても勝てないし、大手は下請けに発注するのが普通の業界だ。」
竹田のセミナーに参加したことがあるのだ。
この二点については、原則どおりに対応するしかない。
地元で元請をする事だ。
関門海峡を渡っているから苦戦しているのだ。
大阪では大手の下請けだ。
受注単価200万円が、下請けでは60万円。
経費を考えればおそらく赤字になる。
赤字の仕事はいくら増やしても、赤字が増えるだけだ。
地域戦略とは地域に根づき、経営基盤を強固にすることなのだ。
そのための経営構造を組み立てる事から始まる。
仮説をたて、地元の福岡市だけで計算してみる。
市内に本社がある企業は4万社、90%が従業員19人以下だ。ISOの必要性からこの19人以下を外す。
大企業は1%あるがこれも外す。
大企業は大手コンサルに依頼するからだ。
残り9%、3600社。
ISOに関心をもつ企業が2割はあるだろうから720社。
この層なら小さなコンサル会社でも元請できる。
年商5000万円÷単価200万円=25社。
1年間に25社しか要らないのだ。
これを3名で見つけ出し、商談をし、数ヶ月コンサルをしなければならない。
休み無しに働いたとしても、とても福岡から出て行く時間はない。
福岡市だけで、この会社の需要の28倍ある。
28年分あるのだ。
福岡は広く、大阪はやはり遠い。
9.21 いなだ
◆県外から経営相談に
県外から経営相談にご来社されました。
写真材料のメーカーであり、卸をされている経営者です。
デジカメや、パソコンを駆使して楽しむスタイルが一般化してきた昨今、売り上げ減少、赤字が続く深刻な状況だとの事です。
お話を伺っていて、この経営者の誠実な人柄もあって、後継者として引き継いだ会社を再建したいとの思いが伝わってきます。
ただ何から手をつければ良いか、そこが分らないとの事でした。
もちろん税理士による財務面からの的確なアドバイスも受けておられました。
問題は、経営の中心部分にある構成要因と、競争状態における条件の整理に手がついてない事、つまり戦略領域に踏み込めていないことでした。
一般的に業績が下がると、営業活動のてこ入れに走りますが、その前に商品を含めて、会社が市場から支持されているかどうか、冷静な判断が必要な事は誰でも分る事です。
ところが経営者自身は業績が落ち続けると、冷静さを保てなくなります。
糸口をつかむために、商品から、地域、客層と点検して行くと幾つかの問題が見えてきました。
この会社の場合、撤退すべき市場に経営資源の大半が注ぎ込まれているために、重荷を引きずって大汗をかきながら走っている状態で、エネルギーの使い方に大きなロスが生じています。
もちろん、撤退するにも計画的にしなければ大混乱が起きます。
幸い50年の業暦があり、自己資本のストックも余裕があり、新規事業も視野に入れる事ができます。
こんな時に創業からの経営姿勢が大きな財産として活きてきますが、その見本の様な会社です。
ご来社の翌日、早朝に電話をしてみると、経営者が出られました。
朝6時半には出社との事。この気力があれば大抵のことは何とかなるものです。
しばらく家族団らんも後回しになるでしょうが、1年頑張れば黒字転換して、少し余裕ができてきます。
さらにその後2、3年頑張れば強い会社になって行く事でしょう。
7月25日 いなだ
◆正しいトレーニング
小山祐史著「奇跡のトレーニング」
「間違った練習が、スポーツの好きな子供を嫌いにさせる。決してその子の性格や運、才能の有無のせいだけではありません。これははっきりとトレーニング法や、動作法そのものにも原因があります。実は基本といわれている動作や練習方法には、何の検証もないものがほとんどだったのです。・・・」
こんな書き出しに目を魅かれて一気に読み通したのが、2年前のことでした。
従来のスポーツトレーニングと違って、無理なく楽しく能力を引き出すことができる手法を開発し、イチローや、プロスポーツ、オリンピック選手の能力を引き出している有名人だったのですが、全く知りませんでした。
スポーツ選手の怪我のほとんどは身体の使いかたが、始めから間違っているという事ですが、このセンターで本来の使い方をすると、ほぼ全員が楽しくトレーニングができて、しかもはるかに高いパフォーマンスを出せるようになるというのです。
勿論、小山さんが開発した特別なマシンの存在は欠かせませんが。
スポーツの世界は私の想像を超えた、遥かに高い水準にあります。
最近は武道の世界がそれを超越した高みにあるともいわれます。
経営では、最先端の技術やサービスは高い水準にあっても、経営の手法自体は、それから考えると随分と差をつけられているように感じます。あまりにも複雑すぎるのです。
分りやすい理論と実践しやすく、高いパフォーマンス、必要なマシン。
求める世界の一端がそこにある・・・。
これがその時、強く感じたものでした。
いなだ 6月12日
◆組織力
組織力はトップで決まる。あらためて実感しました。
私が所属している経営者の団体の支部総会に出席しましたが、会員の減少で 勢いが全くありません。
この状況は3年前に予測されていました。幸い次期支部長や役員には若くて元気なメンバーが揃いましたから、これからの発展は期待できるでしょう。
組織を構成するのは人ですから、元気な人、前向きな人、本気の人、そんな人達がどれだけいるかが大きく影響します。
しかし、通常は会員が減少していくと、あわてて誰でもいいから入会させようとします。
しかし付き合いで入った人はある期間が過ぎるとやがて退会していきます。
もちろん、入会動機が曖昧ですから会の中での活動も消極的になり、得るものもわずかなものしかありません。
烏合の衆はどこまでも烏合の衆ですから、組織自体が強くなることはありません。
一生懸命に組織を作っていく中で、人は育っていきます。
人を育てる、能力を引き出そうとする、トップの強い意思によって流れが決まってしまいます。
社員研修を数社から引き受けてみて、まさしく従業員の能力はトップによって決まっていくものだと感じます。
業暦が60年をこすところも、10年しかないところも、勤務年数20年、30年のメンバーも、数ヶ月のメンバーも、男性も若い女性も、その会社に対する姿勢や業務に対する熱意は、ことごとくトップの意識に染まっています。
06.5.19 いなだ
◆経営計画書の発表を聞いて
私が所属している経営者の団体で、経営計画書に取り組んでいた二名の報告がありました。
毎月1回、集まって作成してきたもので、苦労して取り組まれたのが伝わってきました。
報告者の一人は62歳の女性で2年がかりでした。
もう一人は30代の若い後継者で、パソコンを駆使した綺麗なものでした。
計画書はまさしく実行のための計画ですから、書き上げた時点でその結果は予測できます。
計画通り実行すれば、計画した事が実現されます。
一年間かけて実行していくわけですから、その間には状況の変化で計画修正もあるでしょうが、計画の内容で当然、結果はある程度わかるものです。
設計図を見れば、住宅が建つか、商業ビルか分るのと同じです。
この二人の方の場合は、一人は苦労しながらでも何とか目指すところに進んで行き、もう一人は、実行していけば経営が悪くなって行くと思います。
経営の原則に沿っているかどうかが分かれ道です。
経営の技術的分野です。
もう一つ別の視点があります。
絵に描いた餅になるかどうかです。
描いたけれど実行できず、実現できない場合の言い訳に使われます。
経営計画書はしたい事を実現させるためのものですが、それには実行が前提にあります。
書き始めたらそこには意志が働きます。
何度も考えを重ねて行く時にさらにその意識が強くなり、深まっていきます。
さらに書き上げたものを何らかの形で発表すれば、自らの決意として表現されます。
この時点でその実行意欲が相当高いレベルになって行くのでしょう。
計画書は書き上げるその行為に、とても重要な意味がある事がわかります。
社長が心を込めて書き上げる事が重要です。
経営の心の分野です。
この二人の報告を聞いて感じたことです。
06.4.20 いなだ
◆酒屋さんの勉強会
先日、酒屋さんの勉強会に呼ばれました。
12社の経営者の例会です。
グループの力を利用して、仕入れの交渉を有利にするのが主な目的です。
酒店は粗利益が極端に低い業界ですから、皆さんこの方面では真剣です。
年商3億円から20億円、従業員10名から50名と様々ですが、ディスカウントショップの展開という事では共通でした。
また、ビールが主力商品で、販売構成比40%以上も同じです。
DSの特徴は、薄利多売、つまり薄利と多売がセットの形態ですから、この二つの事を追求する事になります。
当然、大量仕入れ、大量販売が必要ですから、大量のお客を創りださなければならない。
大量のお客は大市場が必要で、一店舗で広域からの集客はできず、多店舗展開になる。
そして大量の在庫、人も大勢で・・・・・・資金も当然・・・・。
体力勝負を自ら仕掛けて、ダメージを受けている・・・。
この姿は決して酒店だけではありません。
ここには戦略ミスが起きています。
経営条件が有利な企業にできる強者型になっています。
それを弱者型に戦略転換をしなければ、事態は仕入れ交渉で解決できません。
同じ商圏で、高収益の同業者数社のデータを紹介しました。
酒の将来はどうなるのでしょうか?との質問を受けました。
酒は人類にとって、最も古い必需品でしょう。
冠婚葬祭、喜びにつけ、悲しみにつけ、そばにあります。
この経営者の皆様が、存命中に消え去る事は無い良い商品です。
良い商品の、その売り方が見えないだけですが、経営者にとっては全てが見えなくなってしまった例でしょう。
景気はどうなるでしょうか?との質問もありました。
景気のことは分かりませんが、景気に左右されない会社をつくるのが、経営者の本分ではないでしょうか。
06.3.24 いなだ
◆社員研修
このところ社員研修の依頼が重なりました。
この数年は経営者と戦略についてだけ取り組んで来ましたが、それは大元の戦略が間違っていれば、社員研修では解決できないからです。
企業は人で動きます。
そのためには動けるようにしておく必要があります。
しかし、中小企業では経営者の時間がなくて、社員を教育できないのも事実であり、また研修はできるが、もう一つ成果が出てこないというのも事実です。
そこで、当方で出来る事はお手伝いしよう、そうすればいくつかの課題も解決する事もあるのではないかと思うようになりました。
もちろん引き受ける企業は、あくまでもその経営者の事や会社を、当方が良く理解しているという前提です。
重要な事は、社員研修は、社長がすることが一番効果的であり、社長が十分に関りを持つことでしょう。
いくつかの事を考えて、今回は、ビデオを活用することにしました。
研修を毎回専門家に撮影してもらい、毎回の研修後、経営者と検証することで、研修の方向性や各人の状況や考え方などを十分に把握できるようにしました。
経営者の前では抑えていることでも、研修の中では自然に出てきます
から、そこに社員育成の鍵が見えてくる。それを経営者と一緒に引き出して行きます。
研修が教育会社任せになる事の弊害は、経営者と社員の間で意識のズレが起きる事にあります。
研修によって社員の意識が上がれば、会社を見る目も変わります。
経営者がそのことにきちんと対応しなければ、社員のモチベーションは下がり、場合によっては会社に対する帰属意識をなくすことになるのです。
私も十分に注意しながら進めます。
お任せの社員研修は、諸刃の剣です。
06.2.15 いなだ
◆永いお付き合いの経営者から依頼されて、中堅営業社員の研修を引き受ける ことにしました。
戦略を専門にしてきた私は、社員研修は全て他の担当に任せています。
8年前、竹田の指示で営業マン向けの教材の反応を見るために、3ヶ月間、営業研修を開きましたが、それ以来のことになります。
期間は2月から11月までの10ヶ月として、その研修に社長の後継者を加えました。
参加者は将来の幹部社員ですから、彼らとの人間関係を築く場でも あります。
最終回の11月は次年度の経営計画に反映できるような提言を、このチームで 発表します。
参加者個人の向上と共に、チーム全体の目標を定め、研修責任者を営業部長にしました。
何といっても部門長は、部下の能力開発の責任があります。
この10ヶ月で成果が無ければ大きな時間と経費の無駄ですし、コンサルタント任せでは、とても人は育ちません。
社内にそのノウハウも蓄積できません。
部長自身の能力開発も併せて、いくつかの要件を加味して立体的に計画をします。
さて私もこの研修の目標を決めなければなりませんが、研修コストの3倍を粗利益の増益としましょう。
06.1.18 いなだ
◆百年の計
新しい年を迎えて、今年も大勢の経営者の皆様の話を聞く毎日が始まりました。
新年早々、リストラに着手し正月返上で厳しいスタートを切った方、従来のビジネスを進めながら新規事業を立ち上げる若い方、混乱の中にあって整理が付かない方、悠々として、海外の情勢を見てきた方、本当に様々です。
そんな中で、創業9年目、企画会社で情報誌や広告制作をしている気鋭の経営者が「企業百年の計を考えています。」との事。
この会社は若い社員が中心で伸びてきました。
しかしこのままで良いわけは無い。
何か経営を根幹から考えてみる必要がある、
ならば百年の計はどうか。
自分だけで出来はしない。
では何が必要か・・・。
考えてみても簡単には答えは出ない。
そんな話です。
経営は永く続けてこそ、技術や人の育成ができるものです。
技術や人が高度に育って行く過程で企業は更なる発展を続ける事ができます。
「企業百年の計」は欠かせないテーマだとの認識を持っていますが、さてどうすればそれが可能か、となるとあまりにも漠然としています。
100年を迎えようとする従業員36万人のGMは倒産の声まで出てきた。
世界の優れた経営者が率いているはずなのに。
ところで私たちが日頃お会いする、中小企業の経営者が目指す「百年の計」とは、いったいどのようなものなのか、研究会を立ち上げる事に致しました。
メンバーは、この経営者を始め、創業者で20年以上、2〜3代目で60〜70年の企業を中心に5〜6名。
その後100年以上の企業の経営者の参加も視野に入れて、 ゆっくり1年程度続ける予定です。
今月末からの開催になります。
06.1.12 いなだ
◆おすすめのテープが当社にありました。
経営者の皆様、特に後継者の教育やリーダーを育てなければならない方におすすめのテープです。
このテープを後継者か次期リーダーの方に心構えの教材として聞かせてください。
人生の目標が書ける人は、100人中わずかに3人というのが現実です。
後継者も次期リーダーも、殆どは人生の目標が書けない事が普通なのだという事からスタートです。
このテープは、社長の竹田が11年前に製作していたもので、当時私も何度も聞いていましたが、 お客に勧めることまでは考えていませんでした。
お客は経営者で、すでに日々経営に没頭されている方達でしたので、不要なものだと思ったのです。
そして11年経った今、それぞれ後継者ができ、あるいは次期リーダーが必要な企業が出てきました。
その時に経営者は分かっているのに、彼らにはなかなか伝えにくい事があります。
心構えなどもその一つでしょう。
時代背景が違うからといったことも理由になります・・・。
後継者もリーダーになる人材も、一度は考えなければならない事、それを伝える事ができるテープです。
05.12.27 いなだ
逆転の人生戦略 自己啓発と時間戦略 (音声テープのみ)定価63,000円(税込) 13巻 11時間24分 テキスト1冊付
◆経営計画講座の同期メンバー9名が集まりました。
12月20日。
経営計画講座の同期のメンバー9名が集まりました。
3ヶ月に1回集まっては飲みながら、その後を語り合っています。
2度目の12月を迎えた納会でした。
メイン・スピーカーは建材店の末次さんとグループホームの中原さん。
慎重型で熟練の末次さんと、積極型で若い女性の中原さん、対称的な二人です。
どちらも、もう駄目かもしれないというところから回復した報告でした。
中原さん・・18室のグループホームを始めたのが昨年の春。その12月が来ても半分も入居者がない。運転資金が続かず、売れる物は全て売って給料の支払いにあてた。現状を全て、ありのまま周りの人に話してまわる。同業のグループホームや、デイケアに営業をしたのが少しずつ成果を生んで、現在17室入居、利益が出るところまできた。痴呆老人の部屋で寝る毎日。借金の返済までにはまだ遠い道のりがある。
本当なら辛い苦しい時期だった事を、明るくあっけらかんと話されると、周りの者は大笑い。
末次さん・・皆さんとは1年ぶり。建設業界の先行きにも人間関係にも自信をなくしてからの1年半。売り上げの減少に歯止めがかからず、社屋の処分も決心し、地元、足元を見直し、広域のエリアから縮小撤退を決意して、社員と一緒に誠心誠意を貫いてきた日々。今では地元でお客が増え業績は回復、利益は過去最高。地元NO1になり、結果として社屋を売ることもなく、社員も増えた。競争は更に激化しているが、自分の世界ができつつある。そのまじめな人柄が参加者にも再認識させられた。
今回はこのお二人の話を聞くのが主目的。
しかし他のメンバーも一騎当千の強者ぞろい。
話しのネタは尽きず、あっという間に3時間がたちました。
05.12.22 いなだ
◆キーエンスのこと
昨日、キーエンスOBの方の話を聞くことができました。
キーエンス自体、若い企業ですからOBといえども若く、熱気があります。
会社設立して13年で上場。設立以来29年間、130%超増収。
前期年商1000億、経常利益50%。
社員1400名。平均給与1000万超。
センサーメーカーとして築いたもので、昨今の株売買で伸びてきた企業とは一線を画している。
付加価値を創り出す技術、見つけ出す技術というものがそのエネルギー源でしょうか。
シンプルな組織。
会長、社長、他取締役3名。
この規模で総務3名。
600名の営業は直販。
代理店を使わない。
注文には即日体応。
外注ですむものは全て外注。
自社でしなければならない事に専念する。
単純に外観から見るだけでも、弱者型のモデル的企業。
05.12.14 いなだ
◆12月の特別講座は、キーエンス研究会とカクヤス研究会です。
キーエンスは従業員1400名の中堅企業。
その規模では測れない高収益の企業で、弱者の戦略から分析してみようと思っていたところ、先月の経営原則編のメンバー、大神設計(株)の大神社長から、会社の方向性を決めたいとの相談があり、「モデルにしたい会社は?」の問いかけに、出てきたのがキーエンス。
早速、このメンバーでスタート。
隔週土曜日の10時から2時間。
人事研究所、アンティーク家具、デザイン事務所、設計会社の参加。・・・やはり面白い。
先週、竹田先生から渡された新聞記事がカクヤス。
酒販店のカクヤスは、10年で年商60億から500億。
配達の仕組み作りを中心に、地域戦略も相当なレベルだろうと思い、やはり弱者の戦略の視点から取り上げ研究会。
宅配、配達を業務に取り込んでいる会社に声をかけ、酒屋、服のリフォーム、印刷会社等が参加。
早朝7時から2時間、2日連続の講座。表面的なものは分かったが、それでも各経営の要点、戦略分野ではかなりのもの。
どちらも現在の規模は、中小企業とは言えないハイレベルだが、原理原則の部分はまさしく弱者型。
商品戦略から時間戦略まで積み上げられた、その結果が現在の企業の姿です。
当研究会の参加企業は従業員100人以下ですが、利用できることが数多くあるものです。
2005.12.8 いなだ
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